時空のおっさん16

2010/11/07(日)

ちょっと長くなりますが、書かせていただきます。

ついこの前、友人Y(非ねらー)と「過去に起こった不思議体験」について話してた。

んで、お互いの体験談も尽きてきたので、ふと「時空のおっさんって知ってる?」って聞いてみた。
当然、2ちゃんを全く見ないYが知るわけがない。
「突然誰もいなくなっちゃってー、そしたらおじさんが現れてー」と説明してたら、急にYが、
「あ、それ聞いて今思い出したことがある!」
と。 以下Yの体験談。

Yがまだ小学生になったばっかりの頃、彼は公営の団地に住んでいた。
その団地は、敷地を囲うように高いフェンスが張られていたのだが、 そのフェンスに一箇所だけ、ギリギリ子供が通れるほどの穴が開いていたらしい。

その日も、Yは団地の子供たちと敷地内で遊んでいた。
すると、Yが何かに気を取られていた間に、一緒に遊んでいたヤツらが突然いなくなった。
「あれ?」と思って周りを見渡すと、 みんながフェンスに開いた穴から外へ出て行こうとしているのが見えた。

Y曰く、「穴まで100mくらいだったと思う。」

「やべっ、置いてかれる!」と思ったYは、穴に向かって全力疾走。
その間にも、一人、また一人と、穴を通ってどっかへ行ってしまう。

最後の一人が穴をくぐった頃、Yは異変に気づいた。


全力で走っているのに、みんなが出て行った穴に少しも近づいていない!

地を蹴っている感覚は確かにある。しかし、半径5mくらいの景色は流れているものの、その他の景色は全く動いていなかったらしい。

「何だこれ?どうなってんだ?」という思いは残るが走ってるうちに疲れてしまったので、Yはもう帰宅することにした。

そして、自宅がある棟の入口まで歩き始めた。

さきほど地点から50mほど歩き、入口がすぐそこっていうところまで来たときに、再び異変。

今度は、どれだけ歩いても棟の入口に近づかない。どれだけ歩いても20mほど先に見える入口が、近づいてこない。

Yが置いてきぼりを食らった&帰ろうと思った地点をA、 棟の入口が近づかないことを気づいた地点をBとすると、AからBまでの50mは確かに移動してるんだけど、その先は移動できな い。
つまり、YはAからBの50mの世界に閉じ込められてしまった感じ。もちろん、周囲には誰の姿も見えない。

怖くなったYは、AとBを往復してみた。

しかし、どれだけ走っても、そしてゆっくり歩いてみても、フェンスの穴は近づかないし、棟の入口も近づかない。

24歳になった今でこそ「我が道を行く」なYだが、 そのときは怖くて怖くて、「永遠に出られないんじゃないか」と思ったそうだ。

まぁ、大人になった今体験しても、十分怖いと思うけどねw

何回か往復して、もうお手上げ状態になったとき、A地点に人影が見えた。

「自分以外の人がいる!」と思って近づいて行くと、 それは40~50代くらいの中年夫婦だった。
泣きそうになりながら今自分の身に起きたことを説明すると、奥さんらしき女性が、
「怖かったね。ほら、早く帰りなさいね。」みたいなことを言ったらしい。

その言葉を聞いて安心したYは、再び自分の棟の入口へと歩いた。


そしたら、さっきまでとは違い、無事に入口に辿り着くことが出来た。

振り返ると、ほんの30秒くらい前までいた夫婦はいなくなっていた。

無事に帰宅できたYは、後日、自分を置いていった友人たちに、「なんで置いてきぼりにしたんだよ!?」と。
そしたら、「だって、お前いつの間にかいなくなっちゃってたじゃん」って言われたらしい。

・・・その話を聞いたあと、俺は「そんときのご夫婦の顔って覚えてる?」と聞いてみた。

すると、やはり「20年くらい前の話だし、さすがに覚えてねーよww」と。
「だよなー」と返すと、Yが呟くように言った。 「ただ、記憶の風化で忘れたというよりも、会った直後にはおぼろげになっちゃってた感じなんだよなー・・・」

長くなりましたが、以上です。 固辞・稚拙な文章表現はご容赦ください。 やっぱり「時空のおっさん」はネタではなかったんですね。


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